近年になり医師不足、小児科医不足の伴い小児救急医療の重要性が改めて見直されつつあります。一般に救急医療は一次、二次、三次(救急救命)と区別されています。しかし、小児分野に関しては症状が急激に変化する場合があり、この区別が困難な場合が少なくありません。そのため当院では、昭和50年(香川療養所から小児病院へと名称変更時)より一次から三次まですべての患者さんを一日24時間、365日一日も休まずに受け入れてきました。この間の医療の変遷と様々な問題点、今後の小児医療のあるべき姿について講演します。
脳疾患の中でも、脳卒中と脳腫瘍についてお話します。出血性病変としては、脳の中に出血する脳内出血、脳の表面にひろがるクモ膜下出血があり、血管が詰まる疾患としては脳梗塞が挙げられます。一方、脳腫瘍には外科切除のみで治癒しうる良性脳腫瘍と、様々な後療法を要し、それでも根治困難な悪性脳腫瘍が挙げられます。これら疾患の症状や治療法をわかりやすく解説します。
従来の治療法では、制御困難と思われる難治性病巣を外科的治療以外の方法で正常臓器を損なうことなく治療できれば患者の手術時の大きな負荷は勿論のこと治療後の高いQOLが期待できる。この目的に合致する治療法として、中性子捕捉療法(BNCT)です。他の治療法に比べたBNCTの利点として①治療効果が予測できる事 ②照射範囲(治療範囲)が広く取れる事 ③生物学的効果比が非常に高い事 ④原則1回の照射で終了する事などが挙げられます。今回、治療症例を交え講演します。
脳の正常老化(萎縮や虚血性変化)および病的老化(脳出血、脳梗塞、アルツハイマー病など)が、脳のMRI画像でどのように見えるかご紹介いたします。また、我々が持っている子供から高齢者まで幅広い年齢層を含む脳画像データベース(2,000例以上)を用いて行った解析、すなわち、脳の正常老化はどのように起こるのか、男女差はあるのか、脳の老化を加速する因子は何かなどについて最先端の研究について解説します。